大判例

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東京高等裁判所 昭和29年(う)1696号 判決

被告人 加藤六治郎

〔抄 録〕

弁護人の控訴趣意第一点について。

原判決の法令適用の部分に「刑法第二十条」を引用記載していることは所論のとおりであるが、右同所に「犯情の最も重い判示第三の詐欺罪の刑につき同法第二十条の制限内において更に法定の加重をした刑期範囲云々」の記載があるのに徴すれば右刑法「第二十条」と記載してあるのはいずれも刑法第十四条を引用記載すべきものを誤つて記載したものに外ならないと認められ、且つ原判決は所定の累犯加重、併合罪加重をした上刑法第十四条の制限に従つた刑期範囲内において被告人を量刑処断していることは明らかであるから、前記引用法条の誤記は未だ以て判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の違背に該当するものとは認められない。又所論刑事訴訟法第百八十一条第一項但書を引用したのは、同条項によつて、被告人に対しては訴訟費用の負担を命じないことを説示したものであるから、この点において原判決には何等法令適用の誤はない。論旨はすべて理由がない。

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